やってしまった…

お仕事でミスをしてしまい、それをかなり丁寧に丁寧に注意されて、ちょっと心の中のモヤモヤとイライラとムカムカが重なって、壁を軽く殴ったら割れてしまいました…。というか亀裂が入った…。
もとはといえば自分が悪いのですが、なんか心のやり場がなくて殴ってしまったんです。これはまずいと思って、かといって自分を注意した先輩に言うわけにもいかず、会館の照明担当の技術の方のところにいきました。

「ちょっといいですか?」
「うん…ちょっとまって」

二人で割れてしまった壁のところに向かう。
暗い部屋の中に入り事情を説明する。

「これこれこういうことがありまして」
「うんうん」
「もともとは自分のミスだし、先輩がいってることもわかるんですけど……
そんでちょっと壁を軽くガンってしたんですよ…そしたら…」

電気をつける。

「こんなんなっちゃったんですよね…」
「あー」
「すいません…」
「もー、わけーもんはこれだから」
「どうしましょう…」
「いいよ、だまっとけ」
「はい」
「そんで先輩になんか言われたら俺んとこふって」
「はい…」



「ここはもともとへっこんでたろ?
こんなやわらかいとこ殴ったらこうなるってわかるだろ。
な、とおる。そーゆーとこを勉強しろっていってるんだよ。
俺も短気だからさ、ムカッとしたらガンってやるよ。
でも硬い壁だからな?
そーすりゃー自分がいてーってなるだけだし壁も弁償しなくていいだろ?」
「はい」



僕がなぐったところは以前からへっこんでいて、それは僕がこの会社に入って三ヶ月間研修したところの照明の先輩が、昔今現在僕がいる会館にいたときに、殴ってへこましたとこだったんです。
僕もその話を以前その先輩からきいていました。
多分今から7,8年前のことだとおもいます。
そこを更に僕が殴ってしまったから更にへこんでしまったんです。



これからは気をつけます。
本当に殴りたかったのは自分の心です。